【2026年6月新設】居宅介護支援の処遇改善加算を解説!ケアマネの給与はどう変わる?算定要件・配分ルールガイド

職場環境改善

これまで、介護現場を支える介護職員には「処遇改善加算」が適用されてきましたが、居宅介護支援事業所のケアマネジャーや事務職員は、その対象から外れ続けてきました。

しかし、令和8年(2026年)6月の臨時介護報酬改定において、居宅介護支援事業所を対象とした「介護職員等処遇改善加算」の新設される方向性が示されています。 本記事では、現役ケアマネジャーの視点を交えつつ、この新制度が私たちの働き方や生活をどう変えるのかを公表資料に基づき、実務に即した形で解説していきます。


【基本情報】加算はいつから、どれくらい増えるのか?

まず、最も関心の高い「施行時期」と「加算率」について整理しましょう。

1. 施行時期・スケジュール

    ・令和7年12月〜2026年5月: 賃上げ補助金による先行支援(月額1.0万円相当)

    ・令和8年6月1日〜: 介護報酬(加算)としての本格運用開始

ケアマネジャー(介護支援専門員)の処遇改善は、この令和7年と令和8年の2段階で開始されます。通常の報酬改定は4月ですが、今回は「臨時改定」という形をとり、6月からのスタートとなっている点に注意が必要です。

2. 注目の加算率:所定単位数の「2.1%」

居宅介護支援における加算率は、2.1%に設定されました。 この数字は、同時に新設・改定される他職種の加算率と比較しても、非常に高く評価されています。

サービス種別新設される加算率
居宅介護支援(ケアマネ)2.1%
訪問看護1.8%
訪問リハビリテーション1.5%

このように、ケアマネジャーの重要性が他職種を上回る評価として数値化されたことは、私たちの専門性が国に認められた証左と言えるでしょう。

3. 賃上げの具体的なシミュレーション

実際に私たちの手取りはいくら増えるのでしょうか?先行して実施される「賃上げ補助金(2025年12月〜2026年5月)」による月額1.0万円の支援と合わせ、今回の加算新設により、月額およそ7,000円〜10,000円程度の賃上げが見込まれています。

具体的な計算式は以下の通りです。

処遇改善加算額 = その月の居宅介護支援費(基本報酬)の総単位数0.021

(※1単位=10円〜11.42円など地域区分によって異なります)

例えば、1ヶ月の総単位数が10,000単位の事業所の場合、加算額は210単位となります。 この加算額のうち、2分の1以上は「基本給」または「毎月支払われる手当」として支給しなければならないという厳格なルールがあります。 つまり、賞与で一括払いにするのではなく、毎月の安定した収入アップが保証されているのです。


【配分ルール】事務職も対象?誰がもらえるのか

「介護職員等処遇改善加算」という名称から、ケアマネジャーや事務職員が対象になるのか不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、今回の制度設計は非常に柔軟です。

1. 幅広い職種への配分が可能

今回の加算は、事業所で働くすべての職員が対象になり得ます。 具体的には以下の職種が含まれます。

  • ケアマネジャー(介護支援専門員): 主任ケアマネを含む。
  • 事務職員: 給付管理補助、書類整理などを担当するスタッフ。
  • 管理者・生活相談員・看護職員: 兼務している場合なども含む。

事業所内の配分については、それぞれの実情に応じた柔軟な運用が認められています。

2. 事業所が守るべき「3つの約束」

加算を算定するにあたり、経営側は以下のルールを遵守する必要があります。

  1. 賃金引き下げの禁止:
    加算を理由に、既存の基本給や手当をカットすることはできません。 あくまで「今の給与+加算分」が基本です。
  2. 著しく偏った配分の禁止:
    特定の役職者だけに全額を分配するような、不自然な配分は認められません。
  3. 法定福利費への充当:
    給与アップに伴い、事業主が負担する社会保険料も増えます。この「会社負担分の増加分」についても、加算額から充当することが認められています。
ルール改善案
賃金引き下げ禁止配分基準を明文化し、全職員に周知
著しく偏った配分禁止職位別・勤続年数別など、客観的基準を設定
法定福利費の扱い税理士に相談し、計算方法を事前決定

賃金改善額を計算する際の注意点

先行する補助金において、賃金改善額を計算・設計する際には、「何が改善額に含まれるのか」という範囲の特定と、「どのように支払うか」という配分ルールの遵守が極めて重要です。

1. 賃金改善額に「含めて良いもの」と「いけないもの」

改善額の計算対象となる項目を正確に切り分ける必要があります。

含めて良いもの: 基本給、手当、賞与のほか、賃金改善に伴って発生する法定福利費(社会保険料等)の事業主負担増加分も改善額に含めることができます。

含めてはいけないもの: 退職手当(退職金)は賃金改善額には含まれません。

経費との分離: 研修費やICT機器、記録ソフト等の購入費用は「職場環境等要件」などの経費であり、「賃金改善額(給与分)」に含めて計算することは禁止されています。

2. 「2分の1ルール」の遵守

支給形態については、安定的な賃上げを目的とした以下のルールがあります。

• 加算額(新加算IV相当額)の2分の1以上は、基本給または決まって毎月支払われる手当として配分しなければなりません。

残りの額については、賞与や一時金として配分することも可能です。

3. 月次管理と「未達」の回避

年度末に「加算額 > 賃金改善額」となってしまうと、返還のリスクが生じます。

月次の突合管理: 加算の見込み額と実際の支給額を月次で管理し、不足が出ないよう調整することが推奨されています。

不足時の精算: 年度末に賃金改善額が加算額を下回る「未達」が発生しそうな場合は、一時金などで追加配分を行い、必ず加算額以上の賃金改善を実施してください

事務負担を減らすための工夫

「手続きが増えるのは嫌だな」と感じるのも無理はありません。しかし、今回の改定では事務負担の軽減も考慮されています。配分ルールを「内規」として書面で整備し、職員に周知するだけで要件を満たせる場合もあります(10人未満の事業所など)。


【2つのルート】算定要件を選ぶ

今回の加算には、事業所の状況に合わせて選べる2つの「算定ルート」が用意されています。

ルートA:キャリアパス要件の整備

従来の処遇改善加算の考え方を踏襲したルートです。 組織としての体制を整えたい事業所に向いています。

  • キャリアパス要件Ⅰ: 「主任ケアマネ」「一般ケアマネ」など、職位に応じた任用条件と賃金体系を明文化する。
  • キャリアパス要件Ⅱ: 職員のスキルアップのための「研修計画」を策定し、実施する。
  • 職場環境等要件: ICTの導入や腰痛対策、メンタルヘルスケアなど、働きやすい環境づくりを行う。

ルートB:令和8年度特例(ケアプランデータ連携システム)

国が推進する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に協力することで、キャリアパス要件の一部を代替できるルートです。

  • 算定条件: 「ケアプランデータ連携システム(通称:ケアプー)」に加入し、実際に運用すること。
  • メリット: これまで紙やFAXで行っていた居宅とサービスのやり取りをデジタル化することで、事務負担を大幅に軽減できます。 「カイポケ」や「トリケアトプス」などの主要な介護ソフトの多くがこのシステムに対応しています。
比較項目ルートA(キャリアパス)ルートB(データ連携)
主な内容職能給の導入・研修の実施ケアプーの導入・運用
向いている事業所階層的な教育体制を構築したいFAX作業などの事務を減らしたい
期待できる効果職員の納得感・定着率向上実務作業の効率化・時短

ルートBの詳細の
データ連携システムの必須要件は、この記事に書かれています。  

    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓    

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就業規則等に記載すべき内容

キャリアパス要件を整備し、2026年度(令和8年度)からの新しい「介護職員等処遇改善加算」を算定するためには、職位や賃金体系などを就業規則や内規などの書面で明確に規定し、全ての職員に周知する必要があります

1. キャリアパス要件I:任用要件・賃金体系の整備

職員の職位(ポスト)に応じた役割や、その職位に就くための条件、それに基づいた賃金体系を記載します。

職位・職務内容の定義例:

    ◦ 管理者: 事業所の指揮命令、地域連携、経営管理。

    ◦ 主任介護支援専門員: 困難事例への対応、後進の指導・育成、地域マネジメント。

    ◦ 介護支援専門員: ケアプラン作成、給付管理、利用者・家族への相談援助。

    ◦ 事務職員: 給付管理補助、電話・来客対応、書類整理。

任用要件の記載例:

    ◦ 職位に応じた資格(介護福祉士、主任ケアマネ等)経験年数、能力評価の結果を任用条件として設定します。

賃金体系の記載例:

    ◦ 職位や資格に応じた基本給のレンジ(幅)役職手当(管理者手当等)資格手当、および本加算を原資とする処遇改善手当の支給ルールを定めます。

2. キャリアパス要件II:研修の実施等

職員の資質向上のための具体的な計画と、支援内容を記載します。

計画と支援の記載例:

    ◦ 「職位や経験に応じた年間研修計画を策定し、受講を義務付ける」といった規定を設けます。

    ◦ 資格取得支援: 「介護支援専門員更新研修や主任介護支援専門員研修の受講に係る費用(受講料、交通費等)を事業所が負担し、受講時間は勤務扱いとする」などの具体的な支援内容を明文化します。

3. キャリアパス要件III:昇給の仕組み

「何を頑張れば給与が上がるか」というルールを明確にします。

昇給ルールの記載例(以下のいずれかを選択して規定):

    1. 経験基準: 「勤続年数や介護業界での実務経験年数に応じて昇給する」。

    2. 資格基準: 「上位資格(主任ケアマネ等)の取得や、研修の修了状況に応じて昇給する」。

    3. 評価基準: 「人事評価制度に基づき、一定の評価を得た場合に定期的に昇給を判定する」。

4. キャリアパス要件IV:改善後の賃金水準

経験・技能のある職員の処遇を高く設定することを規定します。

目標設定の記載例:

    ◦ 「経験・技能のある介護従事者のうち1人以上は、賃金改善後の賃金見込額を年額440万円以上とする」といった方針や、その対象者の選定基準(勤続10年以上など)を定めます。

5. 注意点と留意事項

小規模事業所の特例:
常時雇用する職員が10人未満で就業規則の作成義務がない場合でも、同様の内容を「内規」等として書面で整備し、周知すれば要件を満たします。

周知の証拠:
規程を整備するだけでなく、職員会議での配布資料や掲示記録など、「全ての職員に周知した証拠」を残しておくことが運営指導対策として重要です。


研修計画の内容と要件

キャリアパス要件II(資質向上のための計画策定等)」を満たすための研修計画には、単にスケジュールを羅列するだけでなく、「職員との意見交換」に基づいた「資質向上の目標」と「具体的な実施内容」を盛り込む必要があります。

1. 研修計画に盛り込むべき2つの柱

計画は、以下の(a)または(b)の一方(あるいは両方)に関する内容を含んでいる必要があります。

(a)資質向上のための研修・能力評価

    ◦ 具体的な計画: 職務に基づく年間研修計画(必須・任意別、職位、実施頻度など)策定。

    ◦ 実施形態: 研修機会の提供だけでなく、技術指導(OJTやOff-JTなど)の実施について。

    ◦ 能力評価: 研修の実施とあわせて、職員の能力評価を行う仕組みも計画に含める。

(b)資格取得のための支援

    ◦ 勤務調整・休暇: 研修受講のための勤務シフトの調整や、休暇の付与について。

    ◦ 費用援助: 受講料や交通費などの費用の援助について記載します。

2. 計画策定にあたっての「手順」の要件

内容だけでなく、策定までのプロセスも重要です。

職員との意見交換:
計画は、職員の職務内容等を踏まえ、職員と意見を交換しながら策定しなければなりません。

全職員への周知:
策定した計画は、全ての職員に書面等で周知していることが必須要件です。

3. 居宅介護支援事業所における具体的な記載例

居宅介護支援(ケアマネジャー)の場合、以下のような実務に即した研修内容を計画に盛り込むことが有効です。

判断の型づくり: アセスメント項目や記録の粒度の統一、サービス担当者会議の運用ルール。

リスク管理: 給付管理におけるミス(過誤調整・月遅れ請求)の防止策や、事故・苦情発生時の初動対応。

外部研修の活用: 介護支援専門員更新研修や主任介護支援専門員研修の受講支援(費用負担や勤務扱いなど)。


【事務負担の軽減】「誓約書」1枚でスタートできる特例措置

「また面倒な書類が増えるのか…」と頭を抱える必要はありません。国は現場の負担を考慮し、非常に強力な緩和策を用意しました。

1. 「誓約」による算定スタート(令和8年度特例)

令和8年度(2026年度)に限り、「今は準備中ですが、年度内には必ず要件を満たします」という誓約書を提出するだけで、6月からすぐに加算の算定を開始できます。 本来なら事前に作成しておくべき就業規則の改定や研修計画の策定を、「後回し」にすることが許されているのです。 これにより、小規模な事業所でも余裕を持って準備を進めることができます。

2. 年度末(2027年3月)までにやるべきこと

誓約したからには、年度末までには以下の体制を整える必要があります。

  • ルールの明文化: 内規や就業規則に、加算の配分ルールを記載する。
  • 職員への説明: 「このように給与に反映します」と全員に周知する。
  • 記録の保管: 周知した際の資料や研修の記録を保管する(2年間)。

この「誓約制度」は公式なルールですので、運営指導(実地指導)で「まだ規程ができていない」と指摘される心配はありません。 年度末の実績報告までに間に合わせれば、手続き上の不備にはならないとされています。

3.誓約書の具体的な手続き

誓約の対象範囲:

    ◦ キャリアパス要件(I〜IV): 職位に応じた賃金体系の整備や研修計画の策定など。

    ◦ 職場環境等要件: 入職促進や業務改善などの取組。

    ◦ 令和8年度特例要件: 「ケアプランデータ連携システム」への加入や「生産性向上推進体制加算」の取得など。

誓約によるメリット: これにより、規程が未完成の状態でも、2026年6月の施行当初から加算の算定が認められます

■年度内の対応と「証拠」の整備

「誓約」した内容は、2026年度(令和8年度)中に必ず実施し、運営指導(実地指導)で説明できる状態にしておく必要があります。

規程の整備: 就業規則や内規を改訂し、職位ごとの任用要件や賃金体系を明文化します。

周知の実施: 整備した規程や研修計画を全ての職員に書面等で周知します。

証拠資料(エビデンス)の保管: 以下の資料を整備し、2年間の保存が求められます。

    ◦ 任用・賃金: 改訂後の就業規則、賃金台帳、辞令などの記録。

    ◦ 研修: 研修計画書、参加者名簿、研修資料、アンケート結果など。

    ◦ 特例要件: ケアプランデータ連携システムの使用画面のスクリーンショットや、体制届の控え。

■実績報告(年度終了後)

年度末、または加算の支払いが完了した後に、結果を報告する手続きが必要です。

実績報告書の提出: 別紙様式に沿って「実績報告書」を作成し、提出します。

完了の報告: この報告書において、申請時に誓約した事項(規程の整備や研修の実施など)を適切に完了したことを報告します。


書類管理術のポイント

運営指導における返還リスクを避けるため、最低限押さえておくべきポイントを整理します。

1. 保管すべき「4つの証拠資料」

以下の書類を1つのファイルにまとめておくだけで、指導対策はほぼ完了します。

  1. 賃金の証拠: 加算が反映された給与明細のコピーや賃金台帳。
  2. ルールの証拠: 加算の配分について決めた内規や、キャリアパスの対応表。
  3. 周知の証拠: 全員に配布した説明資料や、会議での議事録。
  4. 活動の証拠: 実施した研修のレジュメや、ケアプーのログイン画面のコピーなど。

2. 整合性を高める「同月セット」の法則

規程の改定、職員への説明、掲示といった一連の作業を、「同じ月のうちに」まとめて行ってしまうのがコツです。 日付がバラバラだと、「説明する前に規程を変えたのか?」といった不要な疑念を持たれる可能性がありますが、同月内であれば「この月に体制を整えました」と胸を張って言えます。

3. ICTツールの活用による自動化

介護ソフトには、処遇改善加算の管理機能が備わっているものが多いです。 手計算によるミスを防ぎ、実績報告書の作成も半自動化できるため、こうしたツールの導入を検討することも有力な選択肢です。


運営指導対策の具体的な書類準備のコツ

運営指導(実地指導)で指摘を受けないためには、単に加算を算定するだけでなく、「加算額が適切に職員の賃金改善に充てられているか」および「算定要件を満たしているか」を客観的な書類で証明できる体制を整えることが不可欠です。

1. 必須書類の準備と2年間の保存

すべての根拠資料は2年間の保存が義務付けられています。

賃金・配分に関する書類: 賃金台帳、給与明細、加算額と賃金改善額の突合表(比較表)。

根拠規定(就業規則等): 職位ごとの任用要件や賃金体系を記した就業規則や内規。常時雇用10人未満の事業所でも、内規等での書面整備が必要です。

周知の証拠: 規定や研修計画を職員に周知したことを示す職員会議の議事録、掲示物の写真、配布資料、署名など。

研修実施の証拠: 研修計画書、参加者名簿、研修資料、アンケート、動画の視聴ログなど。

デジタルシステムの利用証明: ケアプランデータ連携システム等の使用画面のスクリーンショット(撮影日時がわかるもの)

2. 指摘を回避するための運用のコツ

運営指導では「実態と書類の整合性」が厳しくチェックされます。

「誓約→整備→証拠」のサイクルを徹底: 2026年度(令和8年度)は「年度内に整備する」という誓約で先行算定が可能ですが、年度末までに必ず規程の改定・周知・実施を完了させ、そのエビデンスを残す必要があります。

「同月内」での整合性: 規程の改定、計画の策定、職員への周知をできるだけ同じ月内に揃えて実施すると、運用上の矛盾を指摘されにくくなります。

月次の突合管理: 加算の見込み額と実際の支給額を月次で管理し、年度末に改善額が加算額を下回る「未達」が発生しないよう調整します。

経費と賃金の分離: ICT機器の購入費や外部研修の受講料を、「賃金改善額(給与分)」に含めて計算してはいけません。これらは別途「職場環境等要件」の経費として管理し、給与への上乗せ分とは明確に区別してください。

3. 注意すべき「不備」のポイント

著しく偏った配分の回避: 特定の職員だけに賃金改善を集中させるなど、職務内容に見合わない偏った配分は認められません。

賃金の引き下げ禁止: 加算を取得する代わりに、既存の手当や基本給を引き下げる「付け替え」は不正とみなされます。

1/2ルールの遵守: 処遇改善加算として算定した額の2分の1以上は、基本給または毎月支払われる手当で支給しなければなりません。

書類を揃えること自体が目的ではなく、「誰が、いつ、どのように周知され、いくら支払われたか」を第三者に即座に説明できる状態にしておくことが、運営指導対策の最大のポイントです。


誓約で加算の算定をスタート可能

2026年6月の申請時に「年度内(2027年3月末まで)に要件を整えます」という宣誓を行うだけで、すぐに加算の算定が認められます。本来なら事前に決めておくべき賃金体系や研修計画も、まずは誓約でOKです。

誓約後の実装スケジュール(参考・例)

実務項目期限優先度具体的ポイント
ルート選定(A/B)2026年4月末★★★現状のICT化度合いを踏まえ判定
内規整備または申請準備2026年5月末★★★顧問税理士・社労士に相談推奨
職員説明会実施2026年5月末★★★実施記録を文書化し保管
報酬請求システム設定2026年6月上旬★★☆ソフト企業のサポート活用

ケアマネジャーとしての未来戦略

1. ベテランの専門性がより高く評価される

今回の制度では、「主任介護支援専門員」や「経験10年以上のベテラン」への重点的な配分も想定されています。 複雑な困難事例への対応や、多職種連携をリードするアセスメント能力は、AIには決して代替できない高度なスキルです。 国は、年収440万円以上を目指すような、ベテランが報われる仕組みづくりを推奨しています。

2. 事業所の「質」を見極める指標

今後は、この加算を適切に算定し、職員に還元しているかどうかが、事業所の制度活用状況の一指標になります。

  • 特定事業所加算を併せて算定している。
  • ICT化(ケアプランデータ連携システム)に積極的である。
  • キャリアパスが明確で、研修体制が整っている。

算定を見送る事業所には、事務負担や体制整備の課題があるかもしれません。自身のキャリアプランと照らし合わせ、将来性を検討する一つの指標にできます。 「人材サイト」などのケアマネ専門の転職支援サービスを活用し、自分を正当に評価してくれる環境をリサーチしておくことも、賢いキャリア防衛の一つです。


おわりに

令和8年(2026年)6月からの加算新設について、要点を振り返ります。

  • 2.1%という、他サービスを上回る高い加算率。
  • 事務職を含む全員が対象になり得る、柔軟な仕組み。
  • 誓約制度により、現場に無理をさせない配慮。
  • ICT化とキャリアアップが直結する、未来志向の設計。

この加算が、皆様の笑顔を増やし、日々の仕事に誇りを持てるきっかけになることを心より願っています。共に、より良い介護の未来を作っていきましょう。

参照URL:
介 護 保 険 最 新 情 報 Vol.1462 令和8年1月 21 日
介 護 保 険 最 新 情 報 Vol.1460 令和8年1月13日


免責事項】本記事の内容は、2026年1月現在の厚生労働省公表資料および各種報道に基づいた「見通し」を含む解説です。制度の最終的な告示・通知により、細かな要件や数値が変更される可能性があります。あくまで特定の市場調査や予測に基づく傾向としてご理解いただき、実際の算定や経営判断にあたっては、必ず最新の一次情報(厚生労働省や各自治体の通知)をご確認ください。 (※一般的な情報+筆者の個人的な経験・感想を含みます/医学的助言ではありません)


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