


この記事は、退職後の給付金制度の概要を理解していただくことを目的としています。ケアマネが退職するときに関係してくる主な給付金制度を、できるだけやさしく整理していきます。
(※この記事は一般的な情報と筆者の個人的な経験・感想を含みます。個別の状況については、必ず管轄のハローワークや専門家にご相談ください。)


退職後の給付金とは

給付金制度は大きく3つに分類されます。離職中の生活を支える制度、再就職を後押しする制度、そしてスキルアップを応援する制度。それぞれに目的があり、あなたの状況に応じて活用できるようになっています。
給付金制度の3つの柱
離職中の生活支援としては、失業手当(失業保険)、訓練延長給付、求職者支援制度があります。これらは求職活動中の生活費を補填し、焦らず次の仕事を探せる環境を整えてくれます。
再就職の促進を目的とするのは、再就職手当、就業促進定着手当、移転費・広域求職活動費など。早期の再就職を決めた方へのご褒美のような制度です。
スキルアップ支援では、教育訓練給付金と教育訓練支援給付金が用意されています。新しい資格取得や専門性を高めたい方を経済的にバックアップしてくれる心強い味方です。
ケアマネジャーとしての経験は、アセスメント能力、調整力、傾聴力など、多くの分野で活かせる貴重なスキル。これらの給付金を活用すれば、その経験をさらに発展させることができるのです。
退職前に知ってほしい全体像
退職に伴う「お金」の制度は、思っている以上に種類があります。
一方で、「自分はどれに当てはまるのか」が分かりにくく、調べる前から疲れてしまう人も多いように感じます。ここではまず、細かい条件はあとで確認するとして、「こんな仕組みがあるんだ」と知って頂けたらと思います。
主な給付金を一枚の表で整理

給付金一覧表 (タップ)
| 分類 | 制度名 | 目的のイメージ |
| 離職中の生活支援 | 失業手当(基本手当) | 求職活動中の生活費を一時的に支える |
| 離職中の生活支援 | 訓練延長給付 | 職業訓練中も失業手当を延長して受けられる制度 |
| 離職中の生活支援 | 求職者支援制度 | 雇用保険に入っていない人向けの訓練+生活支援 |
| 再就職の促進 | 再就職手当 | 早めに就職が決まったときの「ごほうび」のような給付 |
| 再就職の促進 | 就業促進定着手当 | 再就職後の賃金が下がった場合の補填的な給付 |
| スキルアップ支援 | 教育訓練給付金 | 資格取得や学び直しの受講料の一部を支援 |
| スキルアップ支援 | 教育訓練支援給付金 | 専門実践教育訓練中の生活費を支える制度 |
これらの多くは、雇用保険や公的な制度として厚生労働省やハローワークのサイトで説明されています。
たとえば、失業手当や再就職手当については、厚生労働省の「雇用保険の基本手当等」のページで概要が確認できます。
「全部覚えなきゃ」と思う必要はありません。
この記事では、この中からケアマネが特に関わりやすい制度を、順番に見ていきます。
失業手当は「次の一歩」のための土台

失業手当(基本手当)は、多くの人にとっていちばん身近な給付金です。
ケアマネとして退職する場合も、雇用保険に入っていれば、条件を満たすことで受給できる可能性があります。
ここでは、あくまで一般的な枠組みとして、「どんな制度なのか」を整理します。細かな金額や受給可否は、必ずハローワークで確認していただくのが安全だと私は考えています。
失業手当の基本的な考え方
- 目的
- 求職活動中の生活を一時的に支え、早期の再就職を後押しする制度とされています。
- 主な条件(一般的な例)
- 雇用保険の被保険者期間が、退職前2年間で12か月以上あること。
- 会社都合退職の場合は、1年間で6か月以上などの条件が示されています。
- 「働く意思」と「働ける状態」があり、実際に求職活動をしていること。
個別の状況により異なる場合があるため、必ずハローワークで最新情報をご確認ください

ケアマネ視点でのポイント
ケアマネの仕事は、業務量や責任の重さから、心身の負担を感じる方も少なくないように思います。
「少し休みたい」「働き方を見直したい」と思ったとき、失業手当は次のような意味を持ちうると私は考えています。
- すぐにフルタイムで働かなくてもよい「猶予期間」をつくる。
- 介護業界の別の職種や、非常勤・パートなどを検討する時間を確保する。
- ハローワークの職業相談やセミナーを通じて、情報を整理する。
もちろん、給付額や期間には限りがあります。
「長く頼るお金」ではなく、「次の一歩を考えるための土台」として捉えると、制度の意図にも近いのかなと私は感じています。
再就職手当と「早めに動く」選択肢

「退職したら、しばらく休みたい」という気持ちもあれば、「環境を変えてすぐに働きたい」という気持ちもあります。
後者の場合に関係してくるのが、再就職手当です。
これは、失業手当の受給資格がある人が、所定給付日数を残した状態で早めに就職したときに支給される制度です。
ケアマネとしてどう活かせるか
私自身、現場で「一度退職して、別の事業所でケアマネを続ける」という選択をした人を何人も見てきました。
その中には、次のような工夫をしている人もいました。
- 退職前から、求人サイトや転職エージェントで情報収集をしておく。
- 自分の希望条件(残業の少なさ、担当件数、チーム体制など)を紙に書き出して整理する。
- ハローワークと民間の転職サービスを併用して、「比較材料」を増やす。
転職サービスや求人サイトは、ASPアフィリエイトの対象になることも多い分野です。
ただ、私としては「広告だから使う」のではなく、「自分の条件を整理するための道具」として活用する人が多いように感じています。
複数のサービスを見比べることで、「自分は何を大事にしたいのか」が少しずつ見えてくることもあります。
教育訓練給付と学び直しのチャンス

「もうケアマネは無理かもしれない」と感じたとき。
それでも、これまで積み重ねてきた経験を、何か別の形で活かしたいと思う人は多いように感じます。
そんなときに選択肢になりうるのが、教育訓練給付金です。
これは、厚生労働大臣が指定した講座を受講し、一定の条件を満たした場合に、受講料の一部が支給される制度です。
教育訓練給付の種類とイメージ

厚生労働省の「教育訓練給付制度」のページでは、次のような区分が紹介されています。
- 一般教育訓練
- 受講費用の20%(上限10万円)を支給する仕組みが示されています。
- 特定一般教育訓練
- 受講費用の40%(上限20万円)など、より手厚い支給が想定されています。
- 専門実践教育訓練
- 受講費用の50%(年間上限40万円)など、長期的な専門職養成向けの制度として紹介されています。
条件や対象講座は、時期によって変わることがあります。
必ず最新の情報を、公式サイトやハローワークで確認していただく必要があります。
給付金を受給する際の重要な注意点

給付金制度を円滑に利用するために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
離職票の重要性
失業手当の申請には、会社から発行される離職票が必須です。離職票がなければ、どんなに急いでいても手続きを始められません。
退職後は会社に発行を依頼し、届き次第速やかにハローワークで手続きを行いましょう。通常、退職後10日前後で届くことが一般的ですが、事務手続きの状況により前後します。具体的な日程は事前に勤務先へ確認しましょう。
もし2週間経っても届かない場合は、会社に確認の連絡を入れるか、ハローワークに相談することをおすすめします。
同時受給の可否
各給付金には支給目的があり、同時に受給できるものとできないものがあります。
例えば、再就職手当を受給すると失業状態ではなくなるため、失業手当は受給できなくなります。一方、失業手当と教育訓練給付金は一定の要件を満たせば同時に受給が可能です。具体的な日程は事前に勤務先へ確認しましょう

給付金の組み合わせ [タップ]
| 給付金の組み合わせ | 同時受給 |
| 失業手当 + 教育訓練給付金 | 可能 |
| 失業手当 + 再就職手当 | 不可 |
| 再就職手当 + 就業促進定着手当 | 可能(条件あり) |
どの組み合わせが自分にとって最もメリットがあるか、ハローワークで相談しながら決めるのが安心です。
給付金の位置づけ
退職後の給付金は、一般的には次の仕事が見つかるまでの生活を一時的に支援することを目的とした制度とされています。長期的な収入源として頼るのではなく、給付金を受け取りながら積極的に求職活動を行うことが大切です。
「給付金があるから焦らなくていい」と考えるのではなく、「給付金があるおかげで、じっくり自分に合った仕事を探せる」と捉えることが、制度の趣旨に沿った活用方法だと私は感じています。
私が現場で話を聞く限り、『とりあえず給付金を全部もらってから』と考える方も少なくありませんが、早く新しい環境に飛び込むことで得られる経験や成長も大きな価値があります。
その他の支援制度
失業手当や再就職手当以外にも、状況に応じて活用できる制度があります。

就業促進定着手当
再就職後の賃金が離職前より低い場合に、その差額の一部を支給してくれる制度です。
再就職先で6カ月以上継続して雇用され、再就職後の賃金が離職前より低い場合に対象となります。給付額は、賃金の低下額×再就職後6カ月間の賃金支払基礎日数で計算されます。
ケアマネジャーから異業種に転職する場合など、一時的に収入が下がるケースで心強い支援になります。
訓練延長給付
公共職業訓練を受講している間、失業手当の給付期間を延長してくれる制度。長期の訓練を受ける場合に安心です。
求職者支援制度
雇用保険の受給資格がない求職者も、職業訓練を無料で受けられる制度。一定の要件を満たせば、月10万円の給付金も受け取れます。
これらの制度は、それぞれの状況によって利用できるかどうかが変わります。ハローワークで相談すれば、あなたに最適な制度を案内してもらえます。
転職活動と連動しやすい情報
転職活動をスムーズに進めるために、いくつかのサービスを活用することも効率的な選択肢の一つです。

転職サイト・エージェント
介護・福祉専門の転職サイトでは、給付金の相談に乗ってくれるコンサルタントもいます。求人紹介だけでなく、キャリア設計のアドバイスも受けられることが多いです。
生活サポートサービス
退職後の家計管理や、節約術を学べるファイナンシャルプランニングのサービスも、計画的な求職活動に役立つかもしれません。
これらはあくまで効率の良い方法として可能性を示唆しているだけで、必ず利用しなければならないものではありません。自分のペースで、必要と感じたものだけを選択してください。
資格取得支援サービス
オンライン講座や通信教育を利用すれば、自宅で効率的に学習できます。教育訓練給付金の対象講座も多数あるので、費用負担を抑えながらスキルアップが可能です。
民間の通信講座やオンラインスクールの中には、教育訓練給付の対象になっているものもあります。こうした講座はASPアフィリエイトの対象になることも多いですが、私としては「広告だから」ではなく、「公的制度を使って学び直す一つの選択肢」として紹介したいと感じています。
申請の流れ
制度を知っても、「結局、何から手をつければいいのか分からない」と感じることがあります。
そこで、ここではあくまで一般的な流れとして、「退職前後に確認しておきたいこと」をシンプルにまとめます。

退職前に確認しておきたいこと
チェックリスト
社会福祉施設職員等退職手当共済については、独立行政法人福祉医療機構(WAM)のサイトで概要が確認できます。

退職後の大まかな流れ
- 離職票が届いたら、できるだけ早めにハローワークへ行く。
- 求職の申込みと、雇用保険受給資格の確認を行う。
- 失業手当の説明会や、雇用保険受給者初回説明会に参加する。
- 必要に応じて、教育訓練給付や職業訓練の相談をする。
ここで大事だと感じるのは、「一人で全部抱え込まないこと」です。
窓口の担当者に、「何から聞けばいいか分からないのですが」と正直に伝える人も多いと聞きます。
それでも手続きは少しずつ進んでいきますし、そのための公的機関でもあります。
次の一歩。この記事を読んだあとにできること
- まずは、就業規則と退職金規程を一度だけ開いてみる。
- 離職票や雇用保険の加入状況について、事務担当に質問してみる。
- ハローワークのサイトを開き、最寄りの窓口の場所と受付時間を確認する。
- 教育訓練給付の対象講座を、公式サイトや講座検索サイトで眺めてみる。
- 転職サイトやエージェントに登録し、「どんな求人があるのか」だけ見てみる。
これらはすべて、「行動の選択肢」です。どれを選ぶかは、もちろんあなたの自由です。
どこまで進めるかは、そのときの体調や気持ちに合わせて調整してかまわないと、私は思っています。
よくある質問(FAQ)

Q1: 失業手当はいつから受け取れますか?
A: 自己都合退職の場合、ハローワークでの求職申込後、7日間の待機期間に加えて原則2ヶ月(※条件により異なる)の給付制限期間があります。会社都合退職の場合は、7日間の待機期間後から受給可能です。詳細は管轄のハローワークでご確認ください。
Q2: 失業手当を受給しながらアルバイトはできますか?
A: 週20時間未満で、かつハローワークへの申告を行えば可能な場合があります。ただし、収入により減額される場合があります。必ず事前にハローワークにご相談ください。
手続きに必要な書類チェックリスト

□ 離職票-1、離職票-2
□ 個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
□ 身元確認書類(運転免許証など)
□ 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
□ 印鑑
□ 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
※地域により異なる場合があります
まとめ

ケアマネの退職は、終わりではなく、調整期間だと私は感じています。
給付金制度は、その調整を支えるための「安全ネット」です。
- 知っているだけで不安は減る
- 選択肢があると、心が折れにくい
- どの道を選んでも、あなたの経験は無駄にならない
この記事が、誰かの肩の力を少しでも抜くきっかけになれば幸いです。
無理せず、焦らず。
あなたのペースで、次の一歩を考えていきましょう。
【免責・注意事項】 本記事は、退職後の給付金制度の概要を理解していただくことを目的としています。 ・給付金の受給可否や金額は、個々の雇用保険加入状況、退職理由、年齢などにより異なります ・本記事の情報は、制度改正により変更される可能性があります ・実際の申請前には、必ず以下の公的機関で最新情報と個別の受給資格をご確認ください
【公式相談窓口】
– ハローワーク: https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
– 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/








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