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「ケアマネの副業」の記事一覧
「3行まとめ」
「全国一律→地域最適:地域の実情に合わせたルールづくりが進む。
ケアマネの働き方:更新制の見直しやDXで、負担軽減が検討されている。
負担と給付:高所得者の負担見直しなどが議論中だが、低所得者への配慮も継続予定。

日本の介護保険制度が今、大きな転換期を迎えています。これまでの介護保険は、日本全国どこに住んでいても同じルール、同じサービス、同じ価格で受けられる「全国一律」を基本としてきました。しかし、2027年度に予定されている大規模な制度改正では、それぞれの地域の事情に合わせてルールを変える「地域最適」な仕組みへと舵を切ることが方向づけられています。
なぜ、25年も続いてきた「全国一律」の原則を変える必要があるのでしょうか? そして、私たちの生活はどう変わるのでしょうか? この巨大な変化の本質について、2040年の未来を見据えた視点から解説します。(※一般的な情報+筆者の個人的な経験・感想を含みます/医学的助言ではありません)

介護保険が「地域最適」へ変わる本当の理由とは

2027年度の改正は、日本が25年間続けてきた「全国どこでも同じサービス」というルールを根本から見直す、極めて重要なターニングポイントです。これまでの「一律」という考え方では、急激に変化する地域の現状に対応しきれなくなっていることが最大の理由です。
厚生労働省の資料によると、2040年には85歳以上の高齢者や認知症の方が急増し、同時に介護を支える現役世代が激減します。この「高齢化の姿」が、実は地域によって全くバラバラなのです。

大都市では高齢者が爆発的に増え続けますが、地方の山間部ではすでに高齢者すら減り始め、事業所の撤退が深刻な問題となっています。このように正反対の課題を抱える地域に、同じルールを当てはめるのは無理があります。そこで国は、全国を3つのグループに分類し、それぞれの特性に合わせた「地域最適」な支援を目指すことに決めました。
地域の個性を3つの類型で整理する

国が提示した3つの分類は以下の通りです。
- 中山間・人口減少地域: すでに高齢者も減り始めており、介護事業者が撤退してサービスを維持すること自体が難しくなっている地域。サービスを「維持」することが最優先の地域です。
- 大都市部: 2040年に向けて需要が「急増」し続ける地域です。サービスが足りなくなる地域。
- 一般市等: 2040年までは増えるけれど、需要が増えた後に減少へ転じる、変化の激しい地域です。
このように分けることで、それぞれの街の事情に合わせた柔軟なルール作りが可能になります。
「地域最適」への3つの分類
今回の制度改正に向けて、国は全国の自治体を大きく3つのグループに分類し、それぞれに合った戦い方(支援方法)を方向性を提示しました。
① 中山間・人口減少地域(包括・モード)

この地域では、利用者が少ないために介護事業者が赤字になり、撤退してしまうことが最大のリスクです。サービスがなくなれば、高齢者は住み慣れた家を離れざるを得ません。 そのため、「ルールの緩和」と「新しいお金の流れ」でサービスを死守します。具体的には、「特例介護サービス」などが導入される見込みです。
② 大都市部(効率化・モード)

高齢者が急増し、介護ニーズがパンクしそうな地域です。ここでは限られたスタッフでいかに多くの人を支えるかという「生産性の向上」が鍵になります。ICT(情報通信技術)やAI、センサーを活用した24時間体制の見守りサービスなどが推進されます。
③ 一般市等(柔軟な準備・モード)

需要が増えた後に減るという難しい地域です。今のうちから、将来の人口減少を見越して、既存の介護施設を別の目的(障害者施設や子供の施設など)に転用しやすくするなどの準備が進められます。
中山間地域を守る「特例サービス」の大胆な緩和

「地域最適」の象徴とも言えるのが、人口が減る地域で導入される「特例介護サービス」の新類型と、経営を安定させるための新しい報酬の仕組みです。これまでは「人手不足でルールが守れないなら撤退するしかない」という厳しい現実がありましたが、それを打破する道が作られます。
人口がまばらな地域では、従来の「1回サービスをしていくら」という出来高払いでは、移動コストや突然のキャンセルにより経営が非常に不安定でした。今回の改正では、こうした地域において「月単位の定額制(包括評価)」を選択できるようになります。
また、ICT機器の活用を前提に、職員の配置基準を弾力化することも盛り込まれました。これにより、少ない人数でも最新のテクノロジーを使いながら、質の高いケアを継続できる可能性が示唆されています。さらに、民間だけでは維持が難しい場合、市町村が直接関与してサービスを維持する「インフラ化」も進められます。

都道府県が主導するプラットフォーム
これまでは各事業所がバラバラに求人を出していましたが、これからは都道府県が主導して「介護人材確保のプラットフォーム」を構築します。ここでは、採用だけでなく、研修や職場環境の改善、経営支援などを一体的に行い、介護職が長く働き続けられる環境を作ります。
安定と柔軟性を生む新ルールの比較

クリック
| 項目 | 従来のルール(全国一律) | 新しいルール(地域最適・特例) |
| 報酬体系 | サービス提供回数に応じた「出来高払い」 | 月単位で一定額を支払う「定額制(包括評価)」 |
| 人員基準 | 資格者や常勤の人数を厳格に指定 | ICT活用を条件に、夜勤や兼務の基準を緩和 |
| 運営主体 | 民間事業所が中心(保険給付) | 市町村が事業として責任を持つ仕組みを併設 |
※出典:厚生労働省「第133回社会保障審議会介護保険部会資料」
このように、地域の実情に寄り添うことで、住み慣れた街で暮らし続けられる安心感が強まると私は感じています。
自分の街はどれ?地域類型の詳細解説と判定基準
厚生労働省の資料(第133回介護保険部会)に基づき、それぞれの類型の特徴と判定基準をまとめました。
| 地域類型 | 主な判定基準(イメージ) | 2027年からの主な変化 |
| 中山間・人口減少地域 | ・生産年齢人口が急減している ・事業者の撤退リスクが高い地域 ・過疎地域、離島など | ・人員基準の緩和(少ない人数で運営可) ・報酬の定額制(包括払い)の導入 ・市町村による直接運営の強化 |
| 大都市部 | ・2040年まで高齢者が急増し続ける ・政令指定都市、東京23区など | ・テクノロジー(ICT/AI)の活用義務化 ・24時間対応サービスの拡充 ・生産性向上による効率的なケア |
| 一般市等 | ・需要が増加した後に減少に転じる ・上記2つに該当しない多くの地方都市 | ・将来の需要減を見越した柔軟な定員管理 ・既存施設の多目的化(共生型サービス) |
地域類型判定チェックリスト

以下の項目で、あなたの街に当てはまるものにチェックを入れてください。
【タイプA:中山間・人口減少地域】
- ☐近くの介護事業所が廃業したり、サービスが受けにくくなったりしている
- ☐20代〜50代の現役世代が目に見えて減っている
- ☐買い物や通院に車が不可欠で、公共交通機関が少ない
- ☐2040年に向けて、高齢者の数自体も減り始めると予測されている
【タイプB:大都市部】
- ☐介護施設の待機者が多く、なかなか入所できない
- ☐周囲に新しいマンションが建ち、高齢者の数が増え続けていると感じる
- ☐介護スタッフの不足が深刻で、外国人のスタッフをよく見かける
- ☐2040年に向けて、85歳以上の高齢者が爆発的に増えると予測されている
【タイプC:一般市等】
- ☐今は高齢者が増えているが、10年〜15年後には減少に転じると言われている
- ☐都市部ほどではないが、利便性は確保されている
- ☐介護サービスの供給は今のところ安定しているが、将来が不安
自分の街の正確な情報を知るには?
正確な分類は、各自治体が策定する「第10期介護保険事業計画(令和9年度〜)」において具体化されます。
•自治体の広報誌: 「介護保険事業計画」や「地域包括ケア」という言葉をチェックしましょう。
•厚生労働省「地域包括ケア見える化システム」: 自分の街の2040年までの人口推計を確認できます。
ケアマネジャーの更新制が変わる?負担軽減と専門性
私たちケアマネジャー(介護支援専門員)の役割も、この改正で大きく変わろうとしています。特に、これまで多くの現役ケアマネを苦しめてきた「更新制」や「事務負担」にメスが入ることは、業界全体にとって明るいニュースです。

意見書では、法定研修の受講を要件とした「ケアマネ証の有効期間の更新の仕組み」を廃止する方針が示されました。これは、研修そのものをなくすわけではなく、研修と免許の更新を切り離し、受講漏れによる資格喪失というプレッシャーをなくすものです。また、実務経験5年という受験資格も3年に見直される見込みです。
さらに、AIやICTを活用した「ケアプランデータ連携システム」の普及により、紙のやり取りを減らし、本来の専門性である「利用者への寄り添い」に時間を割ける環境が整いつつあります。これらは、ケアマネがより長く、元気に働き続けるための効率の良い方法として可能性を示唆していると期待できます。

ケアマネが専門性を発揮できる理由
改正によって、以下のような変化が期待されています。
- シャドウワークの解消: 身寄りのない方の支援など、本来の業務外の課題を「地域全体の課題」として地域ケア会議等で共有する仕組みが強化されます。
- 介護予防の直接実施: 居宅介護支援事業所が介護予防ケアマネジメントを直接受けられるようになり、一貫した支援が可能になります。
- DXによる効率化: デジタル基盤の整備により、認定情報の確認や情報共有がスムーズになります。
これらの変化により、ケアマネジャーという仕事が「もっと楽しく、もっと誇りを持てるもの」に進化していくことを、私は現場の人間として強く願っています。
気になる「給付と負担」の議論はどうなった?
多くの方が不安に感じている「利用料の負担増」や「所得基準の見直し」については、今回の意見書では慎重な継続検討という形になりました。一気に負担が増えることを恐れていた方にとっては、少しホッとする結果かもしれませんね。

現在、一定以上の所得がある高齢者の方はサービス利用料が2割または3割負担となっています。この「2割負担の対象者を増やすかどうか」の議論は、高齢者の生活実態や医療保険の動向を見極めるため、2027年度の改正開始までに結論を出すことになっています。高所得者の保険料段階を増やす(標準9段階から13段階へ)などの議論が進んでいます。 一方で、生活が苦しい低所得の方については、保険料を安く抑えるための配慮も続けられると予想されます。現時点では『案』の段階であり、実際の導入内容・時期は今後の法令改正で確定します。

また、これまで「自己負担なし(10割給付)」だったケアマネジメントについても、利用者負担を求めるべきかどうかが丁寧に検討されています。特に、中重度の方が住む住宅型有料老人ホーム等のケアプラン作成については、先行して負担を求める可能性が議論されています。あくまで特定の市場調査に基づく傾向ですが、「議論の中では『能力に応じた負担』という考え方が重視されており、今後の制度設計でも一つの重要な視点になると考えられています。
負担と給付の主な検討事項
今後の議論のゆくえを整理しておきます。
- 2割負担の判断基準: 高齢者の生活への影響を考慮しつつ、次期計画開始までに結論。
- 補足給付の見直し: 所得段階を細分化し、より公平な負担を目指します。
- 多床室の室料負担: 在宅の方との公平性の観点から検討を継続。

お金の話は確かに「めんどくさい」かもしれませんが、制度を長く守るための大切なステップです。私も、皆さんの負担が急激に増えないよう、議論を注視していきたいと思います。
2040年に向けた「自分らしい暮らし」の守り方
今回の制度改正の根底にあるのは、「どんなに社会が変わっても、本人の意志で、希望する場所で安心して暮らせる社会を作る」という強い意志です。そのために、医療と介護の連携をさらに深める「地域最適」を目指す「地域包括ケアシステム」の深化が進められます。

これからは、医師と介護関係者がより密に話し合う「協議の場」が再編成され、入院から在宅への戻りがよりスムーズになるような体制が作られます。また、有料老人ホームなどの住まいの透明性を高め、高齢者が自分に合った暮らしを安心して選べるように、事前規制や情報公開が強化されます。

「住まい」の透明性について。最近、高齢者向けのマンションのような「有料老人ホーム」が増えています。しかし、中には特定の介護サービスだけを無理に使わせる「囲い込み」などの問題も指摘されていました。 これに対し、中重度の要介護者が入るホームについては、「登録制」などの事前の規制を導入し、運営の透明性を高めることで、高齢者が安心して自分に合った住まいを選べるようにします。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も大きな柱です。国が進める「介護情報基盤」が整えば、利用者さん自身がスマホなどで自分の介護情報を確認できるようになり、自立に向けた前向きな行動の選択肢が広がります。テクノロジーは、私たちから温もりを奪うものではなく、むしろ余裕を生み出し、より人間らしいケアを支えるためのパートナーになるはずです。
これからの私たちにできること

制度が変わる今、私たちが意識したい行動の選択肢は以下の通りです。
- 地域の情報を知る: 自分の住む街がどの類型(大都市、山間部など)に近いか、少しだけ興味を持ってみる。
- テクノロジーを味方にする: 最新の見守り機器などを「冷たい」と思わず、安心を増やすツールとして捉えてみる。
- 早めに相談する: 悩みや不安が大きくなる前に、私たちケアマネジャーなどの専門職を頼ってください。
(※あくまで特定の市場調査や政策動向に基づく内容であり、将来の確定した結果を保証するものではありません)
まとめ:あなたの「安心」を共に支える未来へ
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。たくさんの情報がありましたが、一番伝えたいのは「制度は、あなたを困らせるためではなく、守るために進化しようとしている」ということです。

「全国一律」から「地域最適」への転換は、一見すると複雑に見えます。しかし、それは「あなたの住む街の事情を、もっと大切にします」という約束でもあります。2027年度から始まる新しい介護保険のカタチは、現場で働く私たちにとっても、サービスを利用する皆さんにとっても、より柔軟で、血の通ったものになっていくと私は期待しています。
もし、今の仕事や介護のことで「しんどいな」と感じたら、この記事のことを少しだけ思い出してください。国も、自治体も、そして私たちケアマネジャーも、あなたが笑顔でいられる未来のために動き出しています。
さらなる安心のために:おすすめのステップ
より具体的に未来に備えたい方へ、いくつかの選択肢を提案します。
- 自治体の広報をチェックする: あなたの街がどのような「地域包括ケア」を目指しているか、意外な発見があるかもしれません。
- スキルアップを検討する: 介護現場で働く方なら、要件が緩和されるケアマネジャーへの挑戦も、自身のキャリアを守る効率の良い方法としての可能性があります。
- 便利なツールを活用する: ケア記録アプリや、介護の悩みを相談できるオンラインコミュニティなどを探してみるのも、心を軽くする一歩です。
制度の荒波はこれからも続くかもしれませんが、私はいつもここで、あなたのことを応援しています。一緒に、一歩ずつ進んでいきましょう。
【エビデンス】
この記事は、以下の公的資料に基づき執筆されました。詳細な内容を確認したい方は、ぜひ参照してください。
あなたの明日が、今日よりも少しだけ穏やかでありますように。応援しています!










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